「第一回楠本洋二賞最優秀賞をいただきました(報告:山田)」


 若手による「都市計画(まちづくり)の理論と実践」の活動を評するとして本年度創設された日本都市計画家協会楠本洋二賞最優秀賞をいただきました。

受賞テーマは、

「平戸の町並み調査とまちづくり—オランダ商館復原、そして歴史環境再生へ」です。

 楠本洋二氏は、昭和50年代から全国の都市計画コンサルタントを先導し、都市計画の「理論と実践」をあわせ行うことを生涯の旨として、精力的に全国の都市計画にその足跡を残されてきました。氏の意志を若き都市計画家につなぐことを目的として、御夫人の申し出により創設されたのが本賞です。

 大変光栄なことで、気持ちを新たに今後も努めてまいります。(報告:山田)



講評は以下のとおり。

「平戸市、各務原市などに勤務した時代に歴史資産の復元と合わせた街づくりの企画〜整備において中心的役割を担い、その街づくりを観光など幅広い都市の活性化にまで波及させるなど卓越した活動を展開したことを選定委員会は高く評価した。

 点的な発想に陥りがちな歴史的文化財保護について線・面への拡張をめざし、街並みの再生や街の活性化を図るという点がユニークであり、街並み調査から普及のためのイベントなどを通じて、行政による支援地区指定の獲得、住民協定の成立、支援区域外の地域の保存をはたらきかけた実践活動の成果は大きい。

 制度化されたものを上回るやわらかい活動で理論と実践を結びつけたことは貴重であり、街並み保全を生活の一環として地域活性化の中でとらえ実現するという方法は、多くの地域で展開可能なもので、日本の都市計画の重要課題として注目すべきものである。

2009年6月30日、楠本洋二賞選定委員会(文責:鳥栖那智夫氏)」


NPO都市計画家協会HP=http://jsurp.net/





賞創設の趣旨を説明される楠本節子氏




日本都市計画家協会長 黒川洸氏からの授与



会場の建築家会館前にて