長崎総合科学大学 環境・建築学部 建築学科

2011年度  第14回  全国高校生  設計アイデアコンテスト  結果発表

テーマ 「 災害被災地にほしい簡易構造物」

 

審査経緯


  今回のテーマは、「 災害被災地にほしい簡易構造物」でした。 今の災害被災地を想定したものでもよいし、これから起こるかもしれない災害に備えたものでもよく、構造物の素材は自由でした。また、どのような場(避難所内外・避難エリアの空き地・公園など)で、どのように活用されるかを想定することも求められていたため、やや難しい課題であったと思います。にもかかわらず、全国から10校 41作品の応募を頂きました。応募された生徒の皆様とご指導いただいた先生方に感謝申し上げます。

 審査は、審査委員長の林一馬 教授、建築学科教員、および建築学科の学生達が参加して、10月11日(火)に行われました。審査参加者が各自10作品を選んで投票し、41作品の中から「得票が10票以上の作品と得票が5票以上で審査員が推薦する作品」を第一次審査通過作品として27作品選びました。また、教員による審議により、第一次審査通過作品の中から15作品を第二次通過作品として選びました。さらに、入賞に値する作品を選考するため慎重に審議を進めた結果、特に優れた1作品を最優秀賞、2作品を優秀賞として選考し、7作品を入賞としました。

募集要項


 

審査の様子




ご応募頂いた高等学校

群馬県立館林商工高等学校,山梨県立甲府工業高等学校,静岡県立科学技術高等学校,

三重県立四日市工業高等学校,京都府立宮津高等学校, 広島県立宮島工業高等学校,

大分県立大分工業高等学校,佐賀県立唐津工業高等学校,長崎県立島原工業高等学校,

長崎総合科学大学附属高等学校




総評

  今回の課題は、災害被災地という設定はあっても、具体的な場所は設定されていませんでした。また、災害が起きた後で簡易に組み立てる簡易構造物という設定もあれば、事前に災害に備えておく簡易構造物という設定もあったため、難しい課題であったと思います。そのため、今までに無い設計者のアイディアを重視して審査を行いました。


審査結果

最優秀賞

大分県立大分工業高等学校 2年 中野 勝大さん 指導:松田 司 先生

作品名:『suspended curtain』 ~カーテンによる緩やかなプライベート空間~

寸評 : ありそうでなかったアイディアである。少し背高のスケールは異常であるが、体育館が避難所となるケースが多いことへの対応が、簡潔で美しく表現されている。





優秀賞

静岡県立科学技術高等学校 1年 菅原 純 さん 指導:藤井 邦光 先生

作品名: 簡易ろ過アサガオ

寸評 : 「簡易のろ過」は、「水」が欲しいという要求に対する現実的なアイディアである。モニュメントとしても使えることが評価された。





優秀賞

京都府立宮津高等学校 3年 遠藤 信広 さん 指導:佐々木 康宏 先生

作品名: まもり樹

寸評 :緑(植樹)をうまく利用するアイディアであり、他に無い斬新なアイディアである。構造物を広義に解した作品であり、日常時と災害時の使い分けがきちんと示されている。




入賞

三重県立四日市工業高等学校 3年 浅野 拳人さん 指導:有馬 智明 先生

作品名:居動

寸評 : パネルの可動生が評価された。





入賞

静岡県立科学技術高等学校 2年 田代 祐太 さん 指導:藤井 邦光 先生

作品名: 一石三鳥

寸評 : 竹製のパネルという日本的な材料と可変生が評価された。





入賞

三重県立四日市工業高等学校 3年 坂上 尚冴 さん 指導:有馬 智明 先生

作品名: Re:use

寸評 :坂茂のアイディアに近いが、学校の机と物干竿を使った点が評価された。





入賞

佐賀県立唐津工業高等学校 1年 秀島 美稀葉 さん 指導:山上 明善 先生

作品名: POWER SPOT ~独立したライフライン~

寸評 : 確かにあるとよいという施設の代表例。





入賞

広島県立宮島工業高等学校 3年 見山 恵美 さん 指導:茂上 香織 先生

作品名: TOY&SMILE ~子どもたちの力~

寸評 : 常設のフォリートしても楽しげな施設である。





入賞

群馬県立館林商工高等学校 1年 塚越 祐太 さん 指導: 根岸 俊行 先生

作品名:

寸評 :湯・コンテナ・トラック輸送の組合せが妙である。





入賞

静岡県立科学技術高等学校 1年 大橋 千夏 さん 指導: 藤井 邦光 先生

作品名: ひとつ木下で

寸評 : 現実性にやや乏しいが、太陽光発電のアイディアを表現している点が評価された。






二次審査を通過した作品